愛猫ぷうのいないロンドンなんて、つまらない。

親しき仲にも礼儀あり

スペイン人の友人からメールがありました。


「知人の部屋借りていたんだけど、ある事情でいられなくなってしまって、今ユースホステルにいるの。他の人と同じ部屋だからプライバシーがなくて落ち着けない。誰か部屋を短期でもいいから貸してくれそうな人、知ってる?」


彼女は、この3、4年、半年ごとに引っ越しを繰り返しています。若いのならまだしも、もう30代の後半。しょっちゅう引っ越すことを見通してか所持品も殆ど持たず、大きなナップザックひとつで移動できるようにしているようです。半年前に、休学していた大学院のコースを終了したけれど、単位はもらえずじまいとのこと。時々こうして教育機関に登録しても殆ど勉強せず、働かず(まー、中年の大卒者が仕事探すの難しいんだけど)、ボランティアもせず、彼ができても長続きせず、きちんとした長期で滞在できる住まいも見つからず、失業手当を受けたりスペインの親から送金してもらったりして生活しているようです。


知り合ったばかりの頃「私アスぺルガー症候群かも知れない」と言いました。コミュ二ケーションが苦手でグループ活動に参加できない、友達ができない、人と目が合わせられない、などなど、彼女は自分のアスペっぽいところを次々に挙げました。私はアスペルガー症候群のことは大雑把な知識しかなかったのですが、ちょっと気になることがあったので聞いてみました。


「でも、いまこうして目を合わせてコミュ二ケーションとってるよね」
そうしたら、
「あなたは別。最初に見たときから、あなたは大丈夫だと思ったの。ほかの人は殆ど駄目」
(一目ボレされた!)


確かに彼女は私の気持ちが分からないこともあり、早く帰らなければならないときなど、雰囲気や語感では認識できないようでした。帰ろうとしても、何処までも私についてきたがるので、時々ハッキリ意思を伝える必要があり、それでちょっと傷つくこともあるようでした。


彼女は、時々「私今XXXの図書館にいるの。来る?」というメールを送ってきます。数年前、私がとある資格をとるために研修と勉強で毎日大忙しだった時さえも、そのことを知っていても平日の昼1時とかにメールしてくるのです。それなのに、お茶でも一緒にしようと約束すると、待ち合わせ場所に来てくれない上に電話にもでなかったりします(常にひとりで生活してかなり長いので気分が不安定なのではないかと思うのですが)。そういう訳ですれ違い続きで、彼女に会うことは運が良くて数ヶ月に一度が精一杯なのです。


彼女と知り合ってから、英国人外国人問わず、それまであまり接する機会がなかったような人々と仕事やボランティアやワークショップなどを通じて出会いました。常識とか我慢とか礼儀とか、基本的な教育、知識のあんまりない方々。遅刻してセンセに怒られたら、最近このグループに入ってきたやつが気に入らん、と全く話しを換えてセンセに文句いう。大学内でほかの生徒の前で口喧嘩を始めた男子生徒二人、取っ組み合いの喧嘩になるのをあやうく他の生徒にとめられる。「私って、いい子だから偏見とか差別とか何一つないの〜」と言ってるそばから正統派のユダヤ人の悪口はじめる。講義中に炭酸飲料とスナック菓子を平らげる学生。講義中にホワイトボードに書いた文字が小さすぎて読みにくいのでそのことを学生が指摘したら「だったら眼鏡かけてこい」と逆ギレして怒る講師。もちろん、苛められたり嘘つかれたり利用されたりセクハラされたり、いろんな経験をしました。


場の空気が読めない、人の気持ちを推し量ることができない、状況が分からない、それが当たり前。それでも「俺が俺が」「私が私が」と自己主張。他の人のことは考えない、認識しない。自分は絶対悪くない。そういう人達がこの世には結構いることに、呆然としました。そして、ロンドンにはそういう人があんまりにも多すぎて社会の中に組み込まなければ社会が成り立たないことも。
(以前、とあるカレッジのセンセがつい本音を漏らしてくれたのを思い出します。ここでは半分くらいしかまともな人はいない、あとの半分を社会から追い出すことは更なる問題を生むだけ、と)


スペイン人の友人は、自分のコミュニケーションの低さを知っています。他人を傷つけるようなことはしません。彼女は私のことを利用したりすることもありません。


どんなに所持金や滞在場所がなくて困っている時でも、「お金貸して」とか「どーしても今夜だけ居間でいいから泊まらせて」などと彼女は頼んできません。彼女は、なんだかんだいってちゃんと私の気持ちを読んでいるようです。礼儀や常識もわきまえています。ただ、要領があまりよくないのか、ひとりが長過ぎてモチベーションがあがならいのか、ちょっと鬱の気があるのか。


彼女から新しい滞在先が見つかったという報告を待っています。


スポンサーサイト
コメント
No title
痛い想いを知る人ほど、相手の心を気遣うかも?
きっと、ここまでくるには、イバラを踏んで来たのでしょうね。
外国の方の心身障害も日本のイジメも・・・
根は、同じ?なのかな?
2013/03/25(月) 15:46 | URL | Sabimama #cbwYL0zY[ 編集]
Re: No title
同じ文化、言語の中でもいろいろあるし。
違う文化、言語の中でもいろいろある。
難しいですよね。
「だから人間って面白いんじゃない!」って、素直に思える日が来るのかな。
2013/03/26(火) 07:11 | URL | ぷうまま #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

ぷうまま

Author:ぷうまま
愛猫ぷう、17歳の2016年7月、英国のEU離脱の衝撃が冷めないときに旅に出てしまいました。ぷうのいないロンドンで、なんとか適当にぐーたらに生きていけるように、ちょっとはがんばらなくちゃなぁ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR