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「ロンドン市長はテロリスト」「は?」



某地方都市から来た白人系英国人の方々にお会いする機会がありました。
彼らは、私の英国人の連れの昔の知り合いが紹介してきた人達です。
地方在住なので、ロンドンに足がかりが欲しく将来的にそこからビジネスを広く展開するのが夢(だから、紹介されたのでしょう)。


連れが、そのグループのなかでも一番年齢の高い(四十代かな?)方と会話していたら、どういったハナシの流れか、とんでもないことをその中年男性が口にしました。
「ロンドン市長って、テロリストだよな」
は?
市長が、テロリスト???


二年前、新しいロンドン市長が選出されました。
新しいロンドン市長さんが選ばれました
選ばれたのは、パキスタン系の生まれも育ちもロンドンの生粋のロンドンっ子、労働党で国会(下院)議員のサディク・カーン。
ロンドンは左派の労働党のほうが右派の保守党より支持が高いし、サディク・カーンは党内でも実力を買われていたのか影の内閣も務めていた議員。
だから結構知名度はあったと思うし、労働党の公認候補だし、当選して当たり前だったので、何が問題なのか当時はまったく分かりませんでした。


そんなに、イスラム教徒というだけで、偏見と差別の対象にしたい人達がいるのですか?


私はその地方出身の中年男性に詰め寄りました。
「テロリストだなんて聞いたことがない。何が証拠だというの?」
「いくらでもそんなことは探せばでてくるよ、あいつがテロリストだって。みんな知っていることじゃないか」
「じゃあ、なぜ彼は逮捕されないの?」
「政府がかばって隠しているからさ。あいつらはみんなテロリストをかばっている」
「何を見ればそんなこと書いてあるの?」
「どこでも見つかるさ。あいつは以前にテロリストの弁護をしていたんだぞ。テロリストの弁護をしているんだから、そりゃテロリストに決まってるだろう」
「仕事じゃないの? 弁護士は頼まれれば弁護するのが仕事でしょ。それなら殺人犯の弁護士は、殺人犯だっていうの?」
云々。


ま、この中年男性、知識の無さと偏見と差別に満ちた態度をあらわにしました。
弁護士の仕事が何かさえ知らない、ニュースも見ていない、新聞も読んでない、ネットで都合のいい極右的な(日本でいうところのネトウヨ的な)嘘の情報をかじりまくったといった感じ。
それよりも、そんな『知識』をロンドンに着た時に、ロンドンのパブで、ロンドン在住の人の前で、当たり前のように言い、恥じ入ったり謝罪しないことが、非常に大問題。


その時は会話が妨げられたので、後に彼は私に言ってきました。
「君を怒らせてしまったかもしれないが、僕には僕の意見を言う権利があると思うんだ」
いや、あなたが怒らせているのは、私ではなくロンドンでしょ。
サディク・カーンを選んだロンドンでしょ。
それより、それは『意見』とは言わない。
きちんとした情報源を提供できない限り、それは『偏見』とか『差別』とか言われる。
この中年男性は、自分の『偏見』が『事実』と思い込み、『発言の自由』を主張する。
そして、そういったことを発言してしまった自覚さえ持てないのならば、連れと私は『こんな人達』に協力してロンドンで彼らにビジネス展開を手助けできそうな方々を紹介することを拒否せざるをえないでしょう。


帰宅してから、早速彼のフェイスブックをチェック。
幸いなことに、差別的な発言はなし。
ただ、それもフェイスブックの友達が少なく、更新も多くないから安心はできない。
連れは、彼らのビジネスに興味がありそうな人を紹介するつもりでいたけれど、多分、もう、無理でしょう。
連れもかなりショックだったようです。
あそこまで露骨な差別発言に出会うこともそうなかったようだから。
(しかも、彼らがやりたがっている『ビジネス』関係者とは、ほぼ労働党支持者のリベラルばかりで、成功すればいろいろな人種や多彩な文化と触れ合うことになる)
ロンドンに来て、そんなネトウヨ暴言して無事でいられるわけはないのに。
信頼されない、相手にされない、バカにされる。
そのことにすら気付けない、可哀想な人。


イスラムフォビア(イスラム恐怖症)を、こんなに間近で体験したのって、はじめて。
イスラム教への偏見があるのなら、ロンドンなんかに来ないほうがよいのに。
ロンドンの人口の8.5パーセントがイスラム教なんだから。
イスラム教徒といっても、いろいろいるのにね。
テロに共感する人は、ごくごく少数派でしょ。
大抵のイスラム教徒は、差別されたりハラスメント受けたりして、辛い思いをしてそれでも頑張っているというのに。


人間って、怖い。
差別って、怖い。
差別感情はなくならないという悲しい現実



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コメント

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No title

その男性は4chanでも見てるんでしょう。つまらんことでビジネスチャンスをふいにするのは、まさにつまらないことですね〜。実際に嫌な経験をしての感情というパターンもあるでしょうが、ほとんどはなんの接触もないですよ、そういうタイプは。

Kenさん

私はもっと悪いシナリオを考えてしまったのです。
アメリカではオバマ前大統領のことをイスラム教徒だとか米国で出生していないとか、そういった人達がけっこうな数いたそうではないですか。
それと同じで、もしかして、ロンドン市長に対してそういった偏見をもっている英国人がかなりいるのでは、と。
ただ、今まで出会う機会がなかっただけなのかも、と。
(あああああ〜、考えたくない〜)

ぷうままさん

そういう人たちが半分ぐらいの割合を締めていても気に病むことはないです。そりゃ少ないほうがいいに決まっていますが、半分程度ならさほど障害ではないと私は感じますよ。たとえばアメリカの場合なら、半分が反トランプという捉え方もできる。ただこれも所詮投票した人の割合であって、選挙に行かないアメリカ人も多いので、結局あやふやな話なんですが・・。

Re: ぷうままさん

うん、そう信じます〜
でも半分、影響力ありすぎですよ。
特に国民投票とか実施してしまった暁には、後戻り、不可。
多くの企業と政治家と研究施設と大学が残留派だったのに、EU離脱を決めてしまった英国。
で、TPP入れて、とかおっしゃっているなんて、カオス過ぎるコメディー。