『ツイン・ピークス The Return』八話まで感想、ネタバレあり

デヴィッド・リンチ監督によるアメリカのテレビシリーズ『ツイン・ピークス The Return』、日本でも放映が始まったようです。
嬉しい、これですぐにいろいろな考察が日本から発信してきますね。
そういう訳で、以下はエピソード8までのネタバレというよりは、勝手に私が感じたことです。























八話のぶっちゃけた感想。
これ、エヴァっぽくなってない?
でした。
(ツイン・ピークス的だとか影響を受けたとか言われたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズっぽくなるのかな?)


ここまできて、ホントに思ったこと。
『ツイン・ピークス The Return』の日本人の意見が聞きたい。
主にアメリカ人のファンによる解説とか考察とか、とくにエピソード8に関しては調べてみたんだけど。
うーん。
結局、善悪二次元論的なものにいきついてしまうファンが多いみたい。
エピソード8を観たら、日本人なら多分きっと多くの方が違う感じ方をする、と思うのです。
リンチ監督は善悪で割り切れるような単純な人間観や世界観をシュールで不可思議な作品に反映するとは信じたくないのです(←祈ってます、そうならないことを)。


「日本人なら多分きっと多くの方が違う感じ方をする」と思う理由のひとつは、8話で人類初の核実験、1945年7月16日に実施されたトリニティ実験がでてくるのです。
ゴードンのオフィスの壁にかかっていた、マッシュルーム型の爆発の大きな写真が飾ってありましたが、これのことだったのでしょう。
その実験によって『ボブ』が誕生したらしい、というのが分かります(或は既に存在していたボブが『放出』された?)。
『ボブ』は絶対的な悪の象徴として捉えているアメリカ人のファンが(ネットで調べた範囲では)多いのです。
が、オリジナルのツイン・ピークスの中の『ボブ』はローラ・パーマーの父、リーランドに寄生した「快楽殺人犯」であって、サイコパス的な人間の一面を象徴化した存在であったと記憶しています。
政治的や宗教的にその影響力を広げて人類や世界を征服するようなタイプの『悪』ではないと思っていたので、世界のパワーバランスを変え、人類の歴史を変え、虐殺の兵器をして使用された核との因果関係がよく分かりません。
核兵器の存在が『ボブ』に影響しているとしたら、世界征服くらい企んだっていいような気がします。
それとも、『ボブ』そのものが環境によって変化したり、『ボブ』は複数存在するのか、寄生している人間によってその存在理由や性質が変わる、と見た方がいいのでしょうか(次元が違うと違う『ボブ』なのかな)。
(だとしたら、ローラ・パーマーも性質や存在意義が変わる可能性あるかも)


ここまで観て、ツイン・ピークスに対して今現在不安要素が二つあります。
1)もしかして、神話っぽくなるの?
2)もしかして、ループもの?


アメリカのテレビ番組で、しかもあのデヴィッド・リンチが監督していて、一世を風靡してテレビドラマの在り方に大きな影響を及ぼしたツイン・シリーズの続編なので、私の期待値は非常に高いのです。
それなにの、ここまできてツイン・ピークスの世界が、ここ昨今アニメやマンガなどてよく使われる『ループもの』で、しかも一種の『現代の神話作り』的なものだとしたら、かなりがっかりなのです。
核実験で『ボブ』が誕生したので、『ボブ』に対峙するもの/この世を救うもの/その影響力を変えるものとして『ローラ・パーマー』がこの世に送り込まれた。
八話を観ると、そういったシナリオなのかなと思ってしまいます。
『ローラ・パーマー』とは、父親に虐待され、クスリに溺れた可哀想な女子高校生だったかれど、それ以上の何かでは確かにある(映画版では、ローラは『ボブ』からロネット・ポラスキーを奇跡的に助けている)。
ロッジに存在し、クーパーと会話するということは、単なる普通の女子高生ではない(この時点で、クーパーも単なるFBI捜査官ではないと思った方がよさそう。クーパーはホワイトロッジの捜査官、という説を聞いて、頷ける。一話の冒頭部分で巨人から捜査の指示を受けているのかも、ということです)。
では、一体、何者?
救世主?
(ローラ・パーマーよ、神話になれ、って感じ? )


『ループもの』だと感じたのは、八話のこの一連の流れ。
『悪い方のクーパー』(ドッペルゲンガー/ボブ)が撃たれて、アヤシいおっさん達(Woodmen)がその体によってきて、ボブが『悪い方のクーパー』の体内から『排出』(?)され、そして『悪い方のクーパー』再び蘇る。
すると、ロード・ハウスでアメリカのロックバンドのナイン・インチ・ネイルズの演奏が始まる。
このシーンが、一種の宗教的な儀式のようでした。
それまでのロード・ハウスで演奏された、たいして有名でない或は全く無名の、適当にポップで聞きやすい音楽ではなく、はげしくて重い、ナイン・インチ・ネイルズによる『She's Gone Away』という曲で、まるでローラ・パーマーのことを歌っているような歌詞です。
(ボブが離れる/いなくなる/消えるということは、それと対峙するローラもいなくなる、と示唆しているのかな? とも感じるのですが。謎すぎる)

そして、1945年7月の人類初の核実験テストのシーンに入るのです(トリニティ実験)。


そして、この新作が、旧作と全く違う次元や世界の話であるというヒントは、散りばめられています。
まず、ルーシーとアンディーの子供、ウォーリーの誕生日が合わないこと。
マーロン・ブランドと同じ誕生日というから、4月3日に生まれたことになります。
オリジナルのお話は、1989年の二月下旬から一ヶ月余りの出来事を描いたもの。
なのに、当時ルーシーはまだ妊娠初期だったので、時系列が合わない。
去年発売されたThe Secret History of Twin Peaksによると、かなり不思議なことが。
登場人物の年齢が初期設定とは違ったり、出来事が全く異なったり。
例えば、1989年のミス・ツイン・ピークスに選ばれたのは、アニーではなかったということが分かります。
アニーは、都合のいいときに現れて都合よくクーパーと恋におちて都合よくミス・ツイン・ピークスに選出されたことから、ロッジに関連した人物なのか誰かが送り込んだのか、存在そのものが疑われがちです。
でも、オリジナルのテレビシリーズの話と、公式の記録との食い違いは、アニーの存在を隠蔽するだけでは説明がつかず、多くのキャラに多岐にわたっています。
記録の改ざんが誰かの手によってなされたのか、それとも住民達の記憶が改ざんされたか。
単なる夢落ちか。
そうでなかったら、別次元や別世界でのツイン・ピークスの話なのか。


多次元の話である、という仮説。
これは一部のアメリカ人のファンのあいだでも囁かれているみたい。
そして、もし八話の話の流れが過去の出来事をを描いたのではなく、『ボブ』排出のよって次元が1945年まで引き戻されたのだとしたら?
それは、ループものの可能性、大。


そうではないことを祈ります。
ここまでファンやってきて、日本のアニメみたいだったら、ちょっとどころではなく落胆しそうです。
あれだけ独創力のあるシュールなデヴィッド・リンチ監督のことだもの。
誰もが思いもつかないような、斬新なコンセプトで切り込んでくれることを切に願います。


(ちなみに、英語圏で『ループもの』といのは、殆ど普通の人には知られていません。
進撃の巨人とか、アニメやマンガの大ファンなら慣れ親しんでいる概念だと思うんだけど。
英語では『ループもの』はTime loopと表現されるらしいんですけど、英語圏の有名なSF作品や映画でよく使われている手法ではないらしいから。)


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