大英博物館の牡山羊さん

最近トイレを借りに大英博物館に行って以来、すっかり大英博物館の面白さに目覚めてしまいました。
(前回の訪問ブログはこちらから。 やはり大英博物館はいろんな意味ですごすぎた

興味関心の高いうちにと、再度訪問です。


大英博物館というと、古代エジプトのミイラとかロゼッタストーンとかいかついもので有名ですが、かわいい展示品もあります。
そのなかでも、愛嬌があってとても個性的、そのまま大英博物館を宣伝する公式のゆるキャラになってもいいような牡山羊さんの紹介です。(最近はちょっとあやしいゆるキャラのほうが人気みたいなので、うなぎミイラのほうがイケてるかも知れませんが)


らぶり〜!
2013-09-06 おやぎ
つぶらな瞳、端正な顔立ち、きゅっと閉じた愛らしい口元、頭からくるくるのびた角。


見て下さい、この前脚ちょこんとのせている姿! 
ひずめがお茶目さん。
2013-09-06 yagisann


横から見ると、その丁寧で完成された職人技に拍手。
お毛ヶの表現の仕方なんて、とんでもなくかっこよくて素晴らしい。
2013-09-06 yagisann2


全体像は、こんな感じ。
二本脚でちょこん、と立ってます。
2013-09-06 yagisann3
実は、下半身を見ると男の子だと分かるようになってます。


この牡山羊さん、本体は木製ですが角と肩部のお毛ヶはラピスラズリ、胴体は貝殻、頭部とおテテとあんよは金箔がはられているそうです。高価な牡山羊さん。


発見されたのは、古代メソポタミアのウルの王の墓, 現在のイラク南部です。
牡山羊さんは2体が発見され、一体はアメリカのペンシルベニア大学考古学人類学博物館にあります。
日本語ではこの牡山羊さん、「牡山羊の像」ですが英語ではRam in a Thicket。直訳すると、茂みの雄羊。
あれ?


ウルの発掘調査の指揮をとった英国人の考古学者レオナード・ウーリーは、聖書の『創世記』のなかの逸話から名付けたようです。イサクの燔祭という、アブラハムが一人息子のイサクを生け贄として捧げるように神に命じられる物語に由来します。アブラハムは角をやぶに掛けている一頭の雄羊に気付き、その羊を捕えてイサクのかわりに燔祭としてささげた、とあります。
つまり、日本語の山羊が正しいけど、ウーリーさんの聖書に由来するセンスのあるネーミングを英語圏では使っているということです。



この牡山羊さん、なにがすごいかというと製作されたのが紀元前2600〜2400年ごろと推定されていることです。
紀元前の2500年前って、いつの何があった頃?


ガウタマ・シッダールタ(釈迦)だって、紀元前500年頃に存在したというから、その更に2000年前の製作?
このかわいい牡山羊さん、現代でも立派なアートで通じるオブジェが4500年前に作られたなんて。


そりゃ、メソポタミア文明は紀元前3100年にはシュメール人の都市国家が発達していたというし、エジプトが中央政権国家を形成したのは紀元前3000年以前というし。
実は既に高度な文明が存在していた時代。
このくらいの芸術作品を作れる技術を得て、芸術家が育っていたとしても不思議ではないのかも知れません。


いや、こんなこと知ったら、そりゃ、牡山羊さんにゆるキャラなってみない、なんて頼めない。
格が違いすぎます。







おみやげ屋さんて売っていたエジプトアヒル、大英博物館のゆるキャラはこれで充分?
2013-09-06 すぷぃんくす



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コメント

非公開コメント

これはすごい!最初はかわいー!!!でしたが逸話を読んだあとでは「山羊さん失礼しました」な気持ちです。4500年前のアーティストに感服です。是非近いうちに見に行かねば。こういうものが直に見られるって本当に幸せだなと思います。

No title

うーん、古代の人の感覚は、違うな。
歴史ある文化の違いは刺激的ですね。
中国なら文化の発祥の地はあったかな??
(4000年の歴史ですものね)
神話の時代ですね。
まだ、堯(神の王)の時代かも??
羊は進化しなかったのね、現代に似てます。
ずっと「家畜」として、生きてきたのですね。

大英博物館に気軽に寄れる環境はイイわ!
私はよく(学校=ロンドン大学)の学食が安いから入りましたが、
大英博物館にトイレ借りるって、なかなかオツでー!!
ほほほほほー。

Re: タイトルなし

現代にも通じるかわゆさですもの。
人間って、時代と時間は違ってもやはり分かり合えるところがあるのかな。
そんなふうに考えると嬉しくなってしまう。
牡山羊さん(そしてアーティストさん)、感謝です。

Re: No title

中国よりもメソポタミア文明のほうが早かったみたいですね。
現在のイラク。
ちょっと観光で行くにはかなりの勇気が必要な地域。
大英博物館のおかげです、こんなふうに歴史にふれることができるなんて。

ロンドン大学の学食!
聞いたことがあります、学食、誰でも入れるって。
今でも一般人が自由に入れることができるのかしら。
(トイレも借りられるのかな?)

ぷうままさんへ

わおー!クールです。
ほんとうにセンスあるつくりですね。欲しいな!
でも
生贄にされた山羊はかわいそうです。

Re: ぷうままさんへ

可愛さいっぱいの山羊さんですよね。
大英博物館で一番お気に入りかも。
見飽きないです、いい表情してますよね。