英国の海をはさんだ隣国、フランスでは現政権への不満を訴えるデモの一部が暴徒化して、大変な事態となりました。
(
フランスのデモ、またも暴徒化)
で、パリの凱旋門が煙でおおわれた市民戦争のようなデモ隊と警察の衝突を見ながら
「他人事じゃないよな〜」
と、つくづく思ってしまいました。
日本じゃなくて、英国のことです。
英国、EUの離脱をめぐってのすったもんだで、国内がごちゃごちゃになりかねません。
英国議会下院で、12月11日に現内閣とEUの両サイドが合意に達した離脱協定案の採決を行います。
おおかたの予想は、過半数を取れないとみています。
与党保守党から、半旗をふるかざす国会議員がかなりいるのではないか、とのメディアの予想。
もともと保守党は2017年の解散総選挙で負け、過半数をとっておらず、北アイルランドから十人の議員を送っている政党、DUP(Democratic Unionist Party/民主統一党_)の協力があってなんとかなっているのに、離脱案にたいして合意に至っていないようです。
この離脱合意案に満足していないのは、野党の議員さんのみならず、保守党内の反離脱派と、そして強硬離脱派。
強硬派にとっては、この合意案では生温いみたいです(あの人達の考えていることはよくわかりませんので、興味のあるかたは適当にググって調べてみて下さい)。
そーなると〜。
メイ首相への不信任議決とかあるかもしれないし〜
保守党はリーダー変えなきゃならないだろうし〜
もしかしての解散総選挙〜?
EU離脱撤回とか〜
ディール無しのEU離脱で英国貧乏を強いられるとか〜
まさかまさかの国民投票再びもあったりして〜
議会だけでなく、国民が荒れ狂いそうなイベントが目白押しです。
それよりも怖いのは、国民の反応です。
来週の12月11日の議決の結果を待ってから、デモ頑張っちゃうのかと思いきや、今週末からロンドンでデモあります。
離脱派の、極右政党のUK Independence Party (UKIP、イギリス独立党)による、 離脱のためのデモです。
ま〜、これは暴動までならないだろうけど。
(
Brexit Betrayal Rally: Thousands set to descend on central London for Ukip and Tommy Robinson-backed protest | London Evening Standard)
このUKIP、もともと差別的は発言をする党員などがいて、簡単に説明してしまうと、最近グローバルにはやっているポピュリスト/ナショナリスト/オルトライト/ネトウヨ的な極右政党。
アメリカや日本だけでなく、英国でも着実に人気を集めています。
そのUKIPが、過激な人種差別的な言動にためらいのない、イスラムフォビアの発言を繰り返し、白人至上主義的なナショナリストの極右グループ、 English Defence League/ イングランド防衛同盟 (政党ではありません、単なる団体です)の設立者Tommy Robinsonをアドバイザーとして最近迎えてしまったのです。
UKIPの創設者は、ナイジェル・ファラージは、こういった極右団体の所属していた人物の加入を拒否していたそうです(少ないけれど、UKIPには白人以外の党員もいます。ファラージは超極右とみられないように、一応気を使っていたと思います)。
(こういった団体は、本当に過激で、犯罪者なども多いです。英国の極右団体がどんなものかちょっとだけ興味のあるかたは映画
This Is Englandをオススメします。)
激しく知りたい方は、ググってでてくるTommy Robinsonのビデオなどを見てください。
とんでもないこと、言ってます(リンク、貼りたくないから貼らない)。
ヘイトスピーチのオンパレード。
Tommy Robinsonは、フェイスブックで100万人近い人がフォローしているのです。
100万人ですよ。
彼がアドバイザーとなった政党がUKIPが58万くらい、労働党でも100万ちょっと、与党保守党が65万(高齢者の支持者が多いからかな?)。
彼の人気と影響力の大きさがわかります。
コワいです。
Tommy Robinsonがロンドンの裁判所に出向いた時、彼の支持者がデモを行い、警察の指示により周辺のパブは店を閉めたそうですから。
それほど、彼らは言葉だけでなく行動面でも問題をおこしかねないので、潜在的に危険であるということです。
Tommy Robinson hearing: pubs near Old Bailey to close ahead of protestsあ、それからペイパルはヘイトスピーチ等により、 Tommy Robinsonを規制、取引をしないことを決めました。
そして、アメリカの共和党の党員からスピーチするように招待を受けていたのですが、ビザが下りなかったとか(アメリカも関わり合いになりたくない)。
こういう方が、フェイスブックで100万人フォロワーですよ。
EUを離脱しようが、しまいが、英国の抱える問題は大きそうです。
(暴動はもう嫌です)
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