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ただより高いものはない

連れの英国人のおっさんの友達は、去年尿結石と診断されました。


日帰りの治療が必要だということで(多分、体外衝撃波結石破砕術のことかな。治療後数日は自宅療養が必要といわれたという)、おっさんは仕事も調節して(自営なので収入がなくなる)、絶食して朝早くNHS(英国の国民保健サービス)の病院に到着。
治療は午前中に行われるはずなのに、誰もおっさんを迎えに来ません。
とうとう午後三時まで、絶食したまま待たされたといいます。
そして、病院側から突然「治療はキャンセルになります」と、告げられました。
キャンセルになった理由の説明も担当者からの謝罪もありませんでした。


仕事を断ったので、おっさんは数日間分の収入を失いました。
そして、待てども待てどもNHSから治療日の変更の知らせは来ません。
仕方なく、おっさんはNHSのかかりつけのお医者さんに相談しました。
しばらくたってから、病院の記録によるとおっさんが治療を拒否したためにキャンセルになったのだと聞かされました。
朝から三時までおっさんは病院で準備万端でスタンバイしてたのに、そんなことになっていたために誰も治療の日程を組まなかったということです。
勿論おっさんは、そんなことはない、治療拒否なんてしてない、ちゃんと治療を受けて治したい、とかかりつけのお医者さんに直訴。
おっさんのかかりつけのお医者さんは、病院に再び紹介状を書いてくれました。


ところが、病院側からまた連絡がありました。
血液検査の結果、おっさんは治療が必要ではない、とのこと。


なんですって?







多分、最初からおっさんの尿結石は誤診だったのだと思います。
治療日の当日、スタッフの誰かがそのことに気付いたので治療はキャンセル。
しかし、NHSによくありがちなスタッフのミスを認めない体質なので、情報公開しない。スタッフのミスをかばうために、公式な患者の記録にはおっさんが断ったと記入。


NHSは、基本的に病院や医者を選べません。
住んでいる住所がすべてです。その地に住んでいるなら、そのエリア担当の病院へ。
引っ越しても、過去の病気のデータは全てNHSで共有されています。
つまり、日本のように「あそこの病院の先生かわったんだけど、説明が下手だから違う病院にいってみようかな」とか、「この病院でXXって診断されたけど、薬も効かないし治りも悪いから、一応ほかの先生に診てもらおうかしら」とか、そんな選択の自由は許されていないのです。


いつでも専門医を訪問できる。違う市にある病院で診てもらえる。
日本はなんて幸せなんでしょう。


NHS(国民保健サービス)は、基本無料です。
でも、ここの厄介になるとわけのわからないスタッフの言動と大雑把でいい加減なシステムによって引き起こされるストレスで、病気がひどくなったりメンタルヘルスにも影響がありそうです。
かといって、バカ高いプライベートの病院にかかるだけのお金もありません。



日本だったら、おっさんがかかったような病院は信頼できないというウワサが徐々に広がり患者が他の病院に移ったり看護士もそんな体質に不満をしめして離職したりするので、病院の体質を改善せざえるを得ないと思います。
住所によってかかる病院や医者が決められている英国では、病院側は反省したり改善する必要もありません。
患者はやって来るのです。
選択の余地がないんですから。
行かざるをえないんです。


とりあえず、おっさん、尿結石がない健康体のようでよかったです。
しかし、それをつきとめるまで一年近くもかかってしまったようですが。


タダって、怖いですね。


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